アトピーについて

アトピーの治療法、概念を詳しく説明していきます。

アトピー性皮膚炎

10 月-15-2008 By atopi-

アトピー性皮膚炎とは、湿疹を伴うもののうち、アレルギー反応と関連があります。
先天性の過敏症の一種です。
アトピーという名前は「場所が不特定」という意味のギリシャ語「アトポス」から由来しています。
医学用語としては気管支喘息、鼻炎などのほかのアレルギー疾患にも冠されるが、日本においては慣用的に「アトピー」のみで皮膚炎のことを指すことが多いです。

アトピー性皮膚炎は、アレルギー性鼻炎、アトピー型気管支喘息、皮膚炎の蕁麻疹を起こしやすいアレルギー体質の上に、様々な刺激が加わって生じる痒みを伴う慢性の皮膚疾患と考えられています。
患者の約8割は5歳までの幼児期に発症します。
従来学童期に自然治癒すると考えられていたが、成人まで持ち越す例や、成人してからの発症・再発の例が近年増加しています。
これについては、人口密度や住宅環境の変化が要因であるとする意見や、軽症患者の医療機関への受診が増えたことを指摘する意見があります。

アトピー性皮膚炎のガイドラインには、厚生労働省によるものと、日本皮膚科学会によるものがあります。
厚生労働省診断ガイドラインは皮膚科医に限らず広く一般の臨床医に参照すべきものとして作成されています。
「改善が見られない場合は専門医に任せるように」としているように、プライマリーケアの意味合いが強い。
一方、日本皮膚科学会診断ガイドラインでは、皮膚科医が参照すべき内容になっています。
主に皮膚の病変に着目した内容になっており、より厳密な診断基準になっています。
このように2種類のガイドラインがあり、治療内容にねじれが発生する可能性もある、という意見もでている。

アトピーの治療法

10 月-14-2008 By atopi-

この疾患に病院などで一般的に行われる治療は、根治ではなく寛解を目的としています。
現代の医療技術ではアレルギーの発症そのものを抑えることはできず、幼少期の食物の影響が強い症例などを除き、原因となるアレルゲンを特定することが難しく、また代表的なアレルゲンであるハウスダストやダニなどを環境から完全になくすことも困難であるからです。
まず重要なことは不規則な生活やストレス、乱れた食生活や不潔な住環境を避け、十分な睡眠時間を確保することです。
極端な重症例や治療に抵抗する症例を除けば、その上で薬物療法とスキンケアを行うことによりQOLへの影響は最小限にできるでしょう。
十分なコントロールが得られない場合でも、頻回の受診で処方を変えていけば問題が起きることは少ないでしょう。

脱ステロイド療法

10 月-12-2008 By atopi-

「脱ステロイド」の本来の意味とは、アトピー性皮膚炎の症状が改善傾向にないのに現在治療に使用中のステロイド外用剤を中止して、ステロイド外用剤を使用せずにアトピー性皮膚炎の症状をコントロールする方法のことであります。
そのため、症状が改善してきたためステロイド外用剤を中止して経過をみるという行為は、「脱ステロイド」と称するのは不適切ですが。
ステロイド外用剤は非常に高い有効性を持つ薬剤であるが、特に重症例では正しく医師の指導の下に使用していても十分に症状を抑えられない例や、長期の連用により皮膚萎縮、接触性皮膚炎、二次感染といった副作用をきたす例が存在します。
このような症例において副作用から脱却したり、ほかの治療法を模索するといった過程で脱ステロイド療法が行われることがあり、実際にそのようなケースに限ってはステロイド剤の中止が有効であったという報告があります。
しかし当然ながら、このような治療法に踏み切るためには、現在のステロイド外用剤による治療が効果をもたらしていないのかを慎重に判断する必要があります。

一方で「脱ステロイド」という言葉がアトピービジネスにおいて多々使用されることがある。
その理由であるが、アトピービジネスは、他の科学根拠のない代替療法を勧めるため、「ステロイド外用剤はアトピー性皮膚炎を悪化させる」「ステロイド外用剤のリバウンドが続いている」「ステロイドを使用した年月に比例して治療に時間がかかる」「病変部からが排出されているので湿疹は好転反応である」などの独自理論を説明し、ステロイド剤に対して恐怖を煽り、ステロイド剤を中止させようとする場合が多いためです。
さらに自然主義的観点からプロトピックの使用も是としないことが多いです。
当然これらの主張に医学的な根拠は無い。
このような業者に脱ステロイド療法を指示されて極端に悪化し、かゆみが強く夜も眠れないなど生活に支障をきたしたり、ひどい場合緊急入院という結果となる症例が多数発生し続けています。
少数ながら合併症による死亡例もあります。
また、アトピービジネスやマスコミによるステロイド剤の恐怖などの誇張した宣伝の結果、治療が難航している患者が自己判断で「脱ステロイド」を行い、症状が急激に悪化するという悲劇的な2次的被害もみられています。
一時期、社会問題になったこともありました。

以上のように科学的根拠のないステロイド害悪論に基づいた「脱ステロイド」は危険であり、実施するに当たっては実際の病態がステロイドの副作用によってもたらされているのかを多数の医師とよく相談して判断した方が良いでしょう。
その際、プロトピック軟膏やPUVA療法、シクロスポリンといった他の治療に切り替えながら様子をみることが多いので、それに関しても医師と十分に相談すべきですね。

薬物療法

10 月-8-2008 By atopi-

民間療法として漢方薬がよく使われています。
使用方法に関して流儀があるため、漢方医、薬局による違いが大きいです。
人によって合う・合わないがあるので(合わない場合は増悪することもある)、素人判断は避け、漢方の専門医とよく相談の上で行った方が良いですね。

一方漢方のみに依存して悪化する例も多数見受けられる。
漢方に固執しないで悪化したときには皮膚科医にも相談することが大切である。
アトピー性皮膚炎に効果があると言われる漢方の内服には証にあわせて消風散、温清飲、補中益気湯など、外用剤には、紫雲膏・太乙膏・中黄膏などがあります。

抗真菌薬の内服が効果があるという報告があります。
しかし、一方で、保険診療は認められおらず、医師の間でもその是非について意見が分かれています。

食事療法

10 月-2-2008 By atopi-

アトピーの原因は胃腸あるいは小腸が正常に働いていないためにアレルゲンとなる物質が未消化のまま吸収されることや、腸内細菌叢が乱れていることであるとし、これを正常化することにより治療を目指すという考え方があります。
ただし、いわゆる食物アレルギーの場合は別として、本当に患者の腸に異常があるのか、提唱者の方法でそれが改善されるのか、という点は十分に検討されているとはいえず、この方法には疑問が残ります。

SOD様食品療法があります。
四国・土佐清水の丹羽耕三医師とその治療法の研究グループが提唱しているものである。
いわゆる活性酸素を除去する酵素スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)の作用を持つ食品により症状の改善を目指すという。
この治療法ではある程度以上の症状のある患者にはステロイドを配合した薬も処方し、特に入院しなければならないほどの重症患者に対しては、密封法でステロイドを使用する。
SOD様食品をはじめとする治療法の併用により効果が高まりステロイドの副作用が軽減されると主張している。
ただし、活性酸素は実際にDNAの損傷をはじめとする細胞障害性が報告されているものの、これを抑制することによる治療法に関しては、臨床試験などで実際に効果が証明されたことはない。
そのためこのグループの治療効果は結局のところステロイド外用剤によるものではないかという疑問も残ります。

ステロイド

9 月-28-2008 By atopi-

ステロイド外用剤は、副腎皮質ホルモンにより過剰になっている免疫反応を抑制し、症状を和らげる効果がある。
もっとも効果が高いとされる薬剤である。
外用剤にはランクがあり、「Weak」「Medium」「Strong」「Very Strong」「Strongest」に分けられ、症状の度合い・炎症の発生部位によって使い分けています。
ステロイド外用剤は薬局・薬店などで入手出来るものもあるが、強いランクのものは医師の処方箋を必要とします。

ステロイド外用剤を皮膚に長期使用すると皮膚萎縮、皮膚感染症の誘発、毛細血管拡張などの副作用が生じることがある。
しかしながら治療が困難な患者やアトピービジネスがその弊害を過剰に主張したり、内服薬の副作用を外用薬のそれと混同することもあり、治療現場は混乱しています。

日本皮膚科学会で示される治療ガイドラインによると、ステロイド外用剤の中止によるリバウンド(Rebound effect)に関する言及はない。
症状が重く QOLが著しく低下している場合は密封塗布や皮下注射を行ったりすることもある。
或いはステロイド内服薬を服用する場合もあります。

呼吸療法

9 月-28-2008 By atopi-

アトピー患者は副交感神経が常に、そして過剰に緊張しているために痒さが増幅しているので長吸短呼(長く吸って短く吐く)の呼吸によって交感神経を緊張させ、痒さを軽減するという理論です。

他の病気に対する民間療法ではリラックスを司る副交感神経を緊張させることを重視する場合が多いが、アトピーでは逆に副交感神経が過剰活性化している場合があり、その度合いが高いほど痒さが増します。
外に出ていて帰宅し、ほっと一息ついたら痒くなる事があるが、これは交感神経が緊張している状態から副交感神経が緊張している状態に変わったことに対応している場合がある。

継続的なストレスによって症状が増悪している場合もあるので、この理論がすべての患者に当てはまるわけではない。
しかし、副交感神経が緊張するとリンパ球が増加して免疫力が高まりアトピーの症状も悪化するため、長吸短呼はその面からもアトピーに有効だと言うことができます。

なお、自律神経やリンパ球とは関係なく、アレルゲンの体内侵入を防ぐという目的でも鼻呼吸は有効であります。

冬季など乾燥時期の就寝時に、加湿器をかけておくと過ごしやすい。これは吸気から体内に水分が補給できるためと考えられる。

プロトピックとは、1993年から治験として使われ始め1999年6月に認可された、タクロリムスという免疫抑制剤を外用剤として製剤したものです。
元々臓器移植手術の際に用いられてきたものだが、その濃度を0.1%にして外用剤にしています。
ステロイドの「medium」の強さではないかと言われています。

特に顔面や頸部において効果が高いとされ、ステロイドの副作用が出やすい部位でもあることから、好んで処方されています。
プロトピックは分子量が大きいため、正常な皮膚には作用せず、炎症が強く壊れた皮膚にのみ浸透していくことに由来している。

使用開始初期にヒリヒリとした刺激感や火照りを感じる人もいるが、皮膚が慣れてくるにつれて徐々に治まってくる。

副作用としては・・・・。
・ ニキビの増悪があります。
・ カポジ水痘様発疹症の発生率が高くなるとの報告がある。
・ マウスの実験で悪性リンパ腫の増加があるという報告がある。
メーカーでは、人間に使用した場合の影響はないと説明しているが、動物実験を根拠に危険を主張する人もいます。
精確な評価には多数の使用者を長期追跡することが必要であるため、完全な結論には時間が必要と思われています。
なおFDAは発ガン性への懸念から、処方を必要最小限とするように警告を出しています。

保湿剤

9 月-17-2008 By atopi-

アトピー性皮膚炎患者の皮膚は、明確な病変部位外にも、乾燥した特異な性状を示すことがあります。
乾燥部位からは皮脂やセラミドが失われ、外部からアレルゲンの侵入を容易にしていると考えられています。
また痒みの一因ともなり皮膚の回復が妨げられている。
炎症に対する治療だけでなく、このような皮膚の性状に対処することもまた、治療の根幹であります。
スキンケアを丹念に行うことにより劇的に改善することもあるため、ステロイド外用剤などだけでなく、保湿剤を使用することは重要であります。

実際の処方では、ワセリン等の油性のものや、適度に水分を含んだクリーム状の保湿剤(ヒルドイドソフト等)がよく処方される。

医療機関で処方されるものだけでなく、薬局・薬店で購入できるスキンケア製品でも効果が期待できます。
ただし患者の敏感な皮膚は製品によっては接触性皮膚炎を起こすこともあり、使用感がよく、かぶれを起こさない製品を選択することが重要である。
最初はいろいろ試して、自分に合う保湿剤を探索するのも良いですね。