アトピーの原因Ⅱ
11 月-4-2008 By atopi-
遺伝的要因
過去に「アレルギー反応が先か、アトピックドライスキンが先か」という議論があったが、90年代からあったバリア機能の欠陥という考え方が今世紀に入って遺伝子レベルで証明されてきており、現在の最先端医療ではこれに倣っています。
90年代に角質層に存在するセラミドという細胞間脂質が少ないという報告があり、セラミドの生成に関わる遺伝子が注目されました。
セラミドは顆粒細胞内で生成されるが、同じく顆粒細胞でケラチンを束ねているフィラグリンというタンパク質の欠陥が判明、原因遺伝子が06年に特定されました。
顆粒細胞は代謝により表皮側にせり上がって角質細胞になるが、この際放出されるセラミド量が少ない為、角質は乾燥して隙間が出来易くなります。
この隙間から健常者ならば遮断出来る筈の異物に進入され易くなり、抗体が反応して炎症となることが06年までに数度行われた実験によって証明されています。
個々人の体質や環境によるが8割方の患者は、繰り返される異物進入に対し、免疫系が即応体制を整えて抗体を増産し、アレルギー体質化となります。
またセラミドは細胞同士を接着しているため、角質が剥落し易く厚みのある角質層を形成出来ません。
このような薄い角質層は外部の刺激に対して敏感であり、痒みの一因になると考えられています。
顆粒層及び角質層.の異常に起因するアトピックドライスキン、即ちバリア機能の欠陥という皮膚の生理学的異常の分子レベルの解明が進んでいます。
遺伝子の解析により、マスト細胞、好酸球にIgE抗体を結合させるレセプターや、サイトカインのうちアレルギーの炎症に関与するものの遺伝子が集中している遺伝子座がアレルギーと関連していることが明らかになっています。